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zoom RSS ジルオール インフィニットSS アモール・パトリアエ(祖国への愛)第1話

<<   作成日時 : 2005/12/20 21:10   >>

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「アモール・パトリアエ(祖国への愛)」第1話

 「アンギルダンは死んだよ。反逆者としてね。」
「エレンディル、君は長生きするのだな。」
冷ややかな眼差しでディンガル宰相ベルゼーヴァはそう
告げると、城門の中へ消えていった。
無限のソウルを持つ者、エレンディルはその後ろ姿を
茫然と見送った。彼女はアンギルダンの副官だったのである。
第一次ロストール戦役。当初はロストールの将軍たちの
無能さにより、ディンガルの大勝かと思われた。
しかし、突如としてロストール軍は驚くべき早さで
勢いを取り戻し、反撃に討って出た。そのロストール軍を
率いていたのは、冒険者仲間のゼネテス・ファーロスだった
のである。エレンディルは驚いた。ゼネテスがロストールでも
1, 2を争う名家ファーロス家の跡取り息子であることも
知らなかった。彼はそんなことは一切語ろうともしなかった。
ただ、腕の立つ冒険者・・エレンディルはそう思っていた。
戦場で敵味方として対峙した時は、運命の皮肉を痛感した
ものだ。

 その時にアンギルダンとは別れた。アンギルダンは別れの際に
お互い生き延びたら、ディンガルの政庁前で会おう、と告げた。
エレンディルは生き延び、ドワーフ王国へたどり着いた。
ディンガルの政庁へ向かおうとしたが、ドワーフ王国で残党狩りに
あい、その処理に手間取っているうちに時間がたち、ディンガルに
ようやくたどり着いた時には既に手遅れだった。
政庁前で、ベルゼーヴァにアンギルダンの処刑という結末を
告げられたのである。アンギルダンは、ロストール攻めの敗北の
責任を問われ、宰相ベルゼーヴァ、内務統括ザギヴと会見している
うちに激昂し、2人に反逆の態度を示し襲撃しようとしたため、
やむなく2人によってその場で処刑されたという。
エレンディルには、その説明だけでは納得できなかった。
幾多の修羅場をくぐり抜けてきたアンギルダンが、どうして・・。
考えても答えは出なかった。エレンディルは複雑な政治のことを
すんなりと理解できるほど、世間の波にもまれてきたわけでは
なかった。冒険者としての評判は高くとも、まだ人生経験という
意味では未熟だったし、若かった。冷酷にアンギルダンの死を
言い放ったベルゼーヴァには怒りを覚えたが、簡単にベルゼーヴァや
ザギヴだけを責める気持ちにもなれなかった。もし、もっと早く
ディンガルでアンギルダンと合流できていたら、こんな結果には
ならなかったのではないか?エレンディルは自分のせいで
アンギルダンが死んだのではないか、という罪悪感を消せなかった。
自分を責め、気落ちするエレンディルを見かねてデルガドが言った。
「そんなに自分を責めても始まらんぞ、エレンディル。
アンギルダン殿が死んだのは、誰のせいでもない。戦争という
歴史の波の中での運命だったのじゃ。戦いでは、あまりにも
たやすく人の命が奪われる。アンギルダン殿のこともそんな運命の
一つだったのじゃ。」
「そうだよ、エレンディル。アンギルダンさんのために出来ることを
考えようよ。エレンディルがそんなに沈んでちゃ、アンギルダンさんも
悲しむと思うよ。」ナッジもなんとかエレンディルを元気づけようと、
精一杯言葉を選びながら励ました。
「ありがとう、2人とも・・」
「ちょっと、エレンディル!アタクシはどうでもいいっていうの!?」
「えっ、フェティ、励ましてくれるの??」
「いいえっ、アタクシは下等生物のくだらないおセンチな感傷なんかに
付き合ってられないわっ!さあ、新しい依頼を求めてギルドに行くわよっ!」
確かに、いつまでも感傷に浸ってはいられない。また冒険者として依頼を
こなす日々が始まるのだ。

(第2話へ続く)
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