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zoom RSS アーサー・C・クラークの死去を悼む

<<   作成日時 : 2008/03/20 11:05   >>

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コアなSF好きとは到底言えない私ですが、アーサー・C・クラークの
死去はとてもショックでした。作風がもっとも好きなSF作家でした。
享年90歳とのこと、長年車椅子生活だったことを考えれば、天寿を
全うしたと言っていいのでしょうが、残念です。

日本での最新作「時の眼」(共作ですが)の続編は出ないの
でしょうか。共作だから、なんとか完成させるのでしょうか・・。
私が読んだ彼の作品はごく一部に過ぎませんが、しかし強烈な印象を
与えてくれました。「幼年期の終わり」といわゆる「宇宙の旅」シリーズの
4部作です。

「幼年期の終わり」は、彼の最高傑作とも言われるし、実際その内容は
多くのSFに多大な影響を与えていると思いますが、個人的には構成に
やや不満があります。終盤までがやや冗長な感じがします。
途中、アメリカ西海岸を舞台にした男女の普通の青春小説(表現力
なくてすみません)のような描写が続いて、その辺りに違和感が・・。
序盤と終盤の神秘的な雰囲気に比べてそこだけ卑近な雰囲気(笑)。
まあ、それも面白いのかもしれませんが。しかし、私はオーバーロードの
その後のほうがずっと気になりました。自分たちとはかけ離れた存在と
なった人間の子孫よりも、超人であるオーバーロードたちに感情移入をし、
親近感を持つようになるなんて面白いですよね。
その辺が「幼年期の終わり」が好きな理由かも。
ラストからの彼らのその後を知りたかったですね。

「宇宙の旅」シリーズは、キューブリックの映画の印象が強すぎて、
クラークの小説版はやや評価が落ちるところもあるようですが(2001年は
ともかく、特に続編は)、私は小説の一連のシリーズのほうが好きです。
映画も見ましたが、公開より既に30年近く過ぎていたので、公開当時
劇場で見た方に比べて衝撃は低かったかもしれません。
また、私は小説を先に読んだので、小説の印象が強くなるのは当然かも。
4部作「2001年宇宙の旅」「2010年宇宙の旅」「2061年宇宙の旅」
そして「3001年終局への旅」。先に書いたように、「2001年」は映画と
共に高い評価を得ていますが、それ以降の3作はあまり評価が高いとは
言えません。
「2001年」の神秘的なイメージから、普通の娯楽作品にシフトしていった
のが原因かと思われます。やはりこのシリーズは映画のイメージを強く
引きずっているのでしょう。
映画より小説に思い入れのある私は、娯楽傾向にシフトしても、単純に
後の3作も面白いと思うのですが、第一作のイメージと変容したのが
ダメ、という人も多いようです。

良くも悪くも、「2001年」は非常に影響力の強い作品であったということ
でしょう。でも、4部作の中でも、私は「3001年終局への旅」が好きです。
この作品については、別にレビューを書いていますので、よかったら
こちらもどうぞ。 ブックレビュー「3001年終局への旅」

さて、7年前にクラークが無事2001年を迎えられた時、思わず安堵した
ものですが、とうとう天に召される時がやってきました。
いや、「天に召される」というキリスト教的な言い方よりも「オーバーロード
の世界へ旅立った」と言った方が彼には適切かもしれません。
英国人でありながら人生の大半を仏教国スリランカで過ごしたというのも
興味深い選択であるし、何より彼が人間の未来に明るい展望を持って
いたというのは本当に共感できるところです。
彼の小説には常に明るい未来観が描かれている。
今回の逝去は本当に残念なことで、もっともっと新作を発表してほしかった
のですが、今後絶版になっている過去の短編集なども復刻してくれると
嬉しいな、と密かに期待しつつ。最近出た光文社古典文庫版「幼年期の
終わり」も、やはり買うべきでしょうか。
新訳版って、どうしても旧訳のほうが好きだったりして、手が伸びないの
ですが・・。時間をかけて、彼の作品をもっと読んでいきたいと思います。

最後に、とても気に入っている彼の言葉を。「3001年」のあとがきの
最後のメッセージです。彼の切なる願いであると思います。

「もしかしたら、正気ではなく幸せでいるほうが、不幸せで正気で
いるよりはいいのかもしれない。だが、何よりもいいのは、正気で
幸せであることだ。
われわれの子孫がそのゴールを達成できるかは、未来の最大の
課題となるだろう。じっさい、われわれに未来があるか否かは、
その一点にかかっているはずである。」  アーサー・C・クラーク 

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